キミノの大冒険

12月はコツコツと。

アンドラの大冒険①きっかけは低酸素

 『アンドラ・ウルトラ・トレイル

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2017年最大のキミノの大冒険のステージは、ヨーロッパの小さな国、アンドラ公国。フランスとスペインの間にある、ピレネー山脈の麓にある国。この国をグルッと一周回る「Andorra Ultra Trail」に参戦してきた。 

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西ヨーロッパ地図参照

 

このレースはカテゴリーが6つ(★)に分かれる。今回私が参加したカテゴリーはMitic(距離112㎞、累積標高9,700m、平均標高2,000m)であり、私にとって人生2回目の100k超のウルトラトレイルであり、初の山岳そして高所レース。

 

今回のミッションは3つ

 

まずはその①『高所』レースにおけるココロとカラダの変化を感じるべし!

 

自分の職業『低酸素トレーナー』として、心理的にも肉体的にも極限の中、高所でカラダがどうなるか自ら知りたい。というのが、このレースに参加する大きなキッカケ。

 

もともと、高所登山に行こうとお金はちょこちょこ貯めていた。いつか自分の大冒険のために使おうと。貯まったお金をとうとう使うときがきた。

 

これまで『走れる』レース、という比較的トレイルの中でも走るセクションが多いカテゴリーにしか出たことがなかった。今回のレースは世界的にも上位の『山岳』レース。つまり走るセクションがほとんどない。

 

不得意だと自分でも思うが周りからもなんでエントリーしたのか、とすごく聞かれた。ただ、まだ走ったこともないカテゴリーを最初から苦手だと思いたくなかった。まずはチャレンジするべきだと、今回のレースにエントリーした。

 

 

『高所』とは標高何メートル以上の事を言うか。

答えは『2500m』

アンドラの私が参加したMiticは標高2500m以上の山を6度越える。

しかも歩くのではなく、走る、もしくは限りなく走りに近い歩きで登る。

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*公式HPより参照

 

自分の知識上、高所で大事なことは①体調管理、②睡眠、③水分補給、④ココロのゆとり。

 

水分補給は特に意識した。原因は定かではないが、2年前のアメリカのレースでお腹を壊したからだ。現地の水に合わせるというのも一つだが、今回は安心感を第一に、いつでもどこでも飲めるように、浄水ポット、携帯用浄水ボトル、浄水フラスコと水対策を一番に考えた。

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わたしの勤める会社、ミウラ・ドルフィンズの代表であり、世界最高齢80歳でエベレストを登った冒険家・三浦雄一郎は、エベレスト登山中水を1日6リットル飲んでいたという。また水分が足りずに九死に一生を得た話も聞いている。エベレストのような高高所でなくとも、ハードなスポーツであるトレイルランニングにおいては、最重要だと考えた。

 

案の定、海外慣れをしていないため、すぐに水を買うということができなかったため、この携帯型浄水ボトルは重宝した。アンドラの前にスペインを経由したが日差しが強く湿度は低く喉が渇いた。とにかく、『こまめに、少しずつ』を意識した。

 

次に意識したことは睡眠。2年前のアメリカのレースでは時差ボケが治らず、1日3時間しか寝れず、レース中に眠くなって立ちながら寝ていたことがある。また直前まで仕事を全力で取り組んでいたため、睡眠不足が続いていた。フライトの約20時間はとにかく寝るようにした。というか、勝手によく寝れた。笑

 

が、失敗したのが、レースが夜10時スタートだったこと。

 

おかげで時差ボケもなく、久しぶりに走りに集中でき、体調も良くなってきたが、スタート直後23時には眠くなるという、「良い子ちゃん現象」が起きてしまった。

 

これがレース中のすべてを左右した…

 

体調管理については、実は最悪の状況から抜け出せない日々が続いていた。昨年長期のケガをきっかけにトレーニングを積むと痛みが出た。また、5月にAso Round Trailに参加した際、その時も体調悪い中無理をしたため、肺が痙攣してしまった。その影響がひたすら続き、すぐ息が上がるし、バランスを崩しやすい。

 

アンドラの前に参加させてもらったスリーピークス八ヶ岳はスタートしてすぐに2,558mまで登るが【ふらつき、目眩、ぼーとする、息切れ】と完全に高山病の初期の症状にかかってしまった。

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*レースのHPより参照

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*photo by Hajime Nakajima

 

素晴らしい景色に心から喜べず、表彰台にも上がらせてもらったが、満足いく走りができずに凹んだ『このままではアンドラが不安…』 

 

でもいい時期にこのことを知れた。

とにかく呼吸が出来るような身体づくりとして、ピラティスに積極的に取り組んだ。友達から誘ってもらい始めたが、背骨ひとつずつを意識したカラダの使い方が分かりやすい。筋トレ等の基礎トレは得意ではないが、ピラティスは自分にすごくヒットした。呼吸が楽!酸素が吸える!やっとカラダが戻ってきた。

そしてもうひとつ、低酸素トレーニングでとにかく肺に酸素が入るようカラダを整えた詳細。低酸素トレーニングで1番大事にしているのは、主観的な感覚と客観的な指標のすり合わせ。しばらく鈍くなっていたこの2つのリンクが研ぎ澄まされてきた。

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そして、やってきたアンドラ。

ココロのゆとりは現地に着いてやっと出来てきた。走ることがだけに集中できる、これがどんなに有難いことか、ランニング人生16年目、初めて自分の好きなことに時間を費やせることにこんなにも感謝した。

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バタバタの準備ではあるものの、スタート時間は近づく。ウエアやギアの準備、コースやタイムスケジュール最終確認など。いよいよ2017年最大の『キミノの大冒険』が始まる。

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つづく。 

 

★Andorra Ultra Trail の6つのカテゴリー

①Euforia(距離230km、累積標高20,000m)今年からの開催ペアレース

②Ronda Dels Cims(170㎞、13,500m、平均標高2,000m)メインレース

③Mitic(112㎞、9,700m、2,000m)わたしが参戦したレース

④CelesTrail( 83㎞、5,000m)

⑤Marato dels Cims(42.5㎞、3,000m)

⑥SolidariTrail(10㎞、750m) ビギナーや子供たちも参加できる