11月28日5時 いつものコーランが街に流れて起きた。
スタートは13時まだ早いので目をつぶるが、6時には目が覚める。
レース前は『遠足前夜の子供』になる私は、興奮なのか、緊張なのか、いつもより早く起きてしまう。けれども100マイルは1日中、今回は2日にかけて走るので、できるだけ寝ておきたい。アイマスクをして、再度眠りについた。
朝ごはんは、いつものように嵐洋さん(コーディネーター)とユミさん(ライター)が作ってくれた。レースに向けて炭水化物たっぷり、そしていつものようにミキサーでフルーツスムージーを。
予定通りに家を出て、いよいよとスタート地点へ向かう。またいつものように、コーヒー屋さんに寄って仲良くなった店員さんに挨拶をして出発した。
いつもの朝。緊張しているけど、ワクワクの方が大きい。これから始まる長い旅に向けて、いつも通りの流れが心地よかった。
今回は撮影が入るため、ロケハンも兼ねてレースの1週間前にオマーンに入国した。毎日山へ向かい、視察をして帰ってきてご飯。その繰り返しの毎日の中で、いつものルーティーンができていた。落ち着いてスタートするには、このルーティーンが大事なんだなと気づかせてもらった。
スタート会場に着くと、オマーンに来てから一番といっていいほど沢山の人々で会場が盛り上がっていた。ドロップバックを預けて、スタンバイ完了。日本から同じく参加する友人にも会い、気持ちが高まる。
オマーンの公式プロモーションの方にインタビューをお願いされた。英語でなんと言えばいいか、アタマで何度も唱えたが結局日本語でいいですよ、と言われた。笑
早くも汗をかいていたところに、目の前にセバスチャンが。
同じTHE NORTH FACEがスポンサーであり、2015年のSTYで一緒に優勝をしたことで、顔を覚えてくれていた。私は英語は全然話せないけれども、片言すぎる英語で、その興奮を伝えた。
スタート地点近くで丹羽薫さんにも出会った。
わくわくした。同じレースに出れることを。そして、丹羽さんの荷物のパッキングの小ささに緊張した。私と比べると半分くらいの荷物。さすがのパッキング力。私は食べ物で埋め尽くされているけど、丹羽さんは自分の身体のエネルギーで行くのだろうか。スタート前からすごさを感じた。
一旦車に戻ってお昼ご飯を食べた。今から始まる長い旅に向けて補給した。
今日は暑い。
オマーンに来てから一番暑い。
いい日になりそうだ。
スタートラインに立った。
最後にサポーターと握手をした。
嵐洋さんに『俺らの見れない景色を、存分に味わって来いよ』と握手をした。
いよいよ始まる。
スタート地点に立てる喜びをかみしめる。
10秒前からスタートコールが始まった。
サングラスを頭から外してセットする。目をつぶって集中した。
そして始まった私のOman by UTMB。
総距離172㎞、累積標高10,400m、制限時間56時間。
長い旅がここから始まった。
第六章: マイナス思考との葛藤が続く2日目の夜へ
最終章:この瞬間はこの時しかなかった
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