キミノの大冒険

12月はコツコツと。

第四章:首位争奪戦、翻弄される1日目の夜明け

最初のサポートエリア。アリラホテル72.7㎞地点(4518m+)ここで最初の大きなミスをした。もっとゆっくり準備すればよかったが、作ってもらったオニギリは忘れるし、食べ物飲み物も少ししか取らずに出発した。ここから冷えるポイントにニット帽を要らないと言ってしまった。

 

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世界でも過酷なレースの最上級クラスの理由はサポートエリアが2つしかないこと。もあると思う。荷物の管理が難しい。この後次のサマリゾート(138㎞/9034m+)までの頭が回っていなかった。

 

エイドの時間は短くないと。後ろからは薫さんが近づいている。1位のアニータさんは疲れている。今ここで前に飛び出そう。そう思って焦ってしまった。

 

 

アリラホテルをスタートしてトレイルを少し行くと、しばらくロードが続いた。序盤は慌てずウォーキングに回したが、焦って走ってしまった。エネルギーを過剰につかってしまったんだと思う。眠気がやってきて、カフェインドロップを舐めた。

 

眠気は20分くらいは覚めたがすぐにまたやってくる。またカフェインドロップを舐めたがまた同じくらいの時間で眠気がくる。そして寒気もくる。カフェイン量多めに切り替えた。

 

 

そしてこの後胃の不調が絶頂期を迎える。

 

 

究極な眠さではないけど、ペースダウンした。そこにペースアップした薫さんがやってきた。お、きみのちゃん!と言われた。すでに、疲れが出てきて、なにより胃がやられて食べれなくなっていたので、あぁ~薫さん~と答えた。

 

眠くなっちゃって、と前に行ってもらい引っ張ってもらったが、早い。エネルギーが無いからというよりは、普通に早い。この区間の登りをこのスピードでいくのか。しかもピッチが早い。身長差はあるものの、ピッチをここまで上げて走る元気がこの時の私にはなかった。

 

しばらく並走させてもらいおかげさまで眠気も覚め、身体もあったまり上着を脱ぐため、先に先行してもらった。

 

 

自分のペースに戻して下り坂に入った。力が抜けたのか、思った以上に走れた。ポールをうまく使って足に負担が来ないように気持ちよく駆け抜けれた。そうすると前方に薫さんの姿が見えた。

 

すぐに戦闘モードに入った。この距離でまだ足の力は使えない、でも一定の距離をおきながら攻めたい。そう思った瞬間に薫さんにばれて、あっという間にいなくなった。

 

 

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チェックポイント11、7:41通過(94.6㎞/5581m+)朝が来た、夜から朝になる瞬間が本当にうれしくて気持ちいい。だけどエイドのスタッフに疲れた顔がバレたのだろう。

 

『Don't Think !!』

 

とっさに英語が分からなかったが、嵐洋さんが『なんも考えるな!って笑』というから、笑ってしまった。笑

 

もうすぐ100㎞だしな、疲れるのは当たり前か。よし行こう。

 

ロードの激坂を12㎞永遠に下った。山じゃないフラットの急坂はスピードコントロールができないので足にくる。ブレーキ動作を極力少なくするために小股にし、体重移動を意識したが、とてつもなく足にくる。

 

薫さんに追いつこうと必死に前を追い、スピード出し過ぎて抜かしてしまった。この区間長いよ~10㎞以上あるよ~と教えてくださり、慌ててペースを落とす。

 

長い。このあとW8という3㎞で1000mアップのきつい登りがある。私には不利すぎるから、ここで身体の動きを気を付けながら先行しておきたい。

 

長い。。。。

 

長い。。。。。。。

 

 

ひたすら続く長い下り、そして迎えたエイドは、道路脇ではなく、渓谷を通り、学校へ向けて細い道を行く。右、左、左、右、右、右、左、みたいに永遠につかないように感じた。

 

 

本当はこの渓谷はとてもきれいで、試走でも見てなかったから楽しみにしていたのだけども・・・・疲れた身体には余裕がなかった。それでも、渓谷の水で少しアイシングをし、気持ちをリフレッシュさせた。

 

この間に薫さんに先行され、私は後ろからトボトボ歩いてエイドへ向かった。

 

 

チェックポイント12Balad Sayt、9:26通過(107㎞/5886m+)。とにかく身体が動かない。食べたいけど、食べれるものがない。日差しが熱くなってきた。予想以上に、順位を意識し過ぎてばててしまった。これだと登れない。

 

休むことにした、エイドで少しだけ横になろう。

 

 

スタッフの方に話すと二階へ上がらされた。二階かー苦笑

 

中にはマットと毛布が置いてあった。起こすか?と聞かれたが、自分で起きるから大丈夫だと、伝えた。

 

 

横になった。まずいぞ・・・・

 

でも回復するかもしれないから、一旦休もう。目をつぶった。

 

 

 

ギラギラしてて横になっても頭が休まらない。

 

これは無理だ。。。行こう。

 

ゆっくりでも登ろう。

 

 

3時間かけて3㎞を登る。もっとかかるかもしれない。

 

 

覚悟していこう。

 

 

 

つづく。

 

 

第一章:スタート前の興奮・緊張・歓喜、こうして始まったOman by UTMB

第二章:走り出しは1位。自分のペース、に葛藤する序盤

第三章:いちばんの楽しみクライミングゾーンはハイテンション

第五章:3㎞で1,000mアップのW8で満身創痍  

第六章: マイナス思考との葛藤が続く2日目の夜へ

第七章:あれは幻なのか、究極な状況で受けた衝撃の4時間。

第八章:焚火とオマニコーヒーとTODAYフレンド

最終章:この瞬間はこの時しかなかった

 

 

 

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