友人がSNSで紹介していた本。
コロナ時代を生きる人々へ
イタリアを代表する小説家が贈る、痛切で、誠実なエッセイ集。
この本に興味を持った理由は、圧倒的な早さ。
ローマに暮らす著者が2月29日から3月4日までの日々の記録を兼ねたエッセイ集と3月20日に書かれた記事をまとめたものが、4月25日に翻訳され日本で発売されている、という衝撃的な早さに、ただただ驚いた。そして私がこの本を知ったのが、すでに読み終わったという友人のSNS投稿した5月4日だった。
この短期間で、日本に書籍として入ってくるスピード。
そして、日本人にもヒットするその内容。それが読むきっかけとなった。
コロナの情報は日々違うニュースとして私たちの耳に入ってきました。
1週間前の常識が1週間後には非常識とされることもよくあったと思います。
日々変わる情報の中で、著者は何を書き綴り、日本はなぜこの本を発行することを即断したのか。
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本格的にリモートワークが始まる前から、私はコロナとの戦いは長期戦だなと感じ、すぐに家で仕事がスムーズにできるように速攻投資を始めました。今では快適に仕事ができています。
ただしトイレットペーパーは誤算だった。(普通の人は最も先に買うだろうけど笑)近くのお店にトイレットペーパーが無くなり、そのうち入ってくるだろうと思っていたら、全く気配がない。ストックが無くなり、お店を跨ぎ探すこと数時間やっと隣の街に、香り付きの高級トイレットペーパーを見つけました。
ここまできたら値段は関係ないけど(後々、香り付きならトイレの芳香剤いらないやんって思ったし笑)買いだめしたくなる人の気持ちが分かったような・・・こりゃあ大変だ。
お肉も仕事終わって買いに行くと全くないし、レジは行列。
これじゃせっかくリモートさせてもらっているのに全く意味がない。
朝は7時を過ぎると人だらけ。
マスクをしないと、あっちを走れと嫌な顔をして手でジェスチャーするおじ様。マスクをすれば、マスクするくらいなら人のいない時間に走れ、と言われる始末。公園も人が多くなって、土を踏むことも珍しくなってきました。
走るのも大変な東京。
一昨日は久しぶりにホットケーキを作ろうとベーキングパウダーを買いに行ったら、自粛期間にお家料理をする人が増えてスーパーに入ってきてないってのも今頃知りました。(料理ネタにアンテナが張っていないのも気づく。笑)
おそらく10年後の教科書には2020年コロナによる世界のパンデミックについて書かれるだろう。そんな歴史的なこの時代は誰もが体験したことがなく、誰もが先が分からないこの時代。
だからちょっと自分の発言も引っ込みがちになったのも事実。
何も発信しない数週間でもありました(オマーンは例外)。
でも、ずっと心に思っていたことは、コロナに限らずこれまでにも感染症は起きていて、そしてこれからも感染症は別の形で起きる。その時のために私は今何をすべきなのだろうか。
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この本には、イタリアの実情や数字を得意とした著者の感染症のリスク、そして実際に体験したことについて書かれていました。
その中でも強く響いた章が『あまりにたやすい予言』
ウィルスは細菌に菌類、原生動物と並び、環境破壊が産んだ多くの難民の一部だ。自己中心的な世界観を少しでも脇に置くことができれば、新しい微生物が人間を探すのではなく、僕らの方が彼らを巣から引っ張り出しているのがわかるはずだ。
私は考えてもいなかった。コロナという感染症と環境問題との関連性を。
・・・コウモリとゴリラーエボラはゴリラから簡単に人間へ伝染するーの接触は、気になる果実の過剰な豊作が原因とみなされている。方策の原因は、ますます頻繁になっている豪雨と干ばつの激しく交互する異常気象で、異常気象の原因は温暖化による気象変動で、さらにその原因は・・・。
今世界中に起きている問題は、私たち人間のあらゆる行動が関係していることを。
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そして日本に発売されたこの本には、3月20日にこれまでを振り返って書かれたという『コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと』があとがきとして綴られていました。
私はこのコロナの期間を我慢の期間だと捉えたことは一回もない。
制限された世界にこそ、新しい発見があると思ってきました。そして、家に籠ることで見えてくる世界もたくさんありました。私だけではなく、多くの人がそうだと思います。よかったものに目を向けることが大切だと感じていました。
確かにその考えは間違ってはいないと思うけども、この本が伝えたかったこと、それは
『元どおりに戻って欲しくないもの』のリストを今のうちに作っておこう
私たちは、この時代に生きたからこそ次の時代に同じことを繰り返さぬよう、引き継がなければならない、良かったことも、悪かったことも。次の時代というのは、そんなに遠くの未来でもないってことを、受け入れて。
女性アスリートとして、大学院で学んだ山の運動生理学について、環境問題についても、トレイルランニングを通して得た情報を発信していますので、よかったら下の画像をクリックして応援してください!