キミノの大冒険

12月はコツコツと。

世界選手権(TWC)のレース後自己分析

あれから早2カ月

6月にポルトガルで行われたトレイル世界選手権。あれからもう2か月が経とうとしていますが、まだレース分析についてまとめてなかったので、今更感強くなりましたが、自分のためにも書いておこうと思います。

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距離は44㎞、累積標高は2200mとトレイルレースとしては『走れるコース』という大会でした。レースの主観的な感想については、前回ブログを書いたので、今日はこの感情が客観的な指標と比べたときにどう差が出てきたか、まとめてみたいと思います。

k1m1n0.hatenablog.jp

 

予想タイムと実走タイムの差「GAP分析」

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TWCのGAP分析

レース予測タイムは、これまでのレース出場経験から算出した式から各エイドのタイムを予測しています。予測タイムと実走タイム(Result)とのタイム差をGAPとして表記していますが、この表だけを見てもすぐには分からないので、このデータを元に下のようなグラフにして、分析を進めます。

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どこの区間で自分の予想とズレが生じたかを調べるための分析


今回は分析方法については割愛しますが、この図が示す意味としては、点線より下に推移しているプロット(①)が予測より早かったことを示します。そして点線より上に推移しているプロット(②③④⑤)が予測より時間がかかったことを示します。

 

これを見ると、最初の区間(①)と次の区間(②)は点線上には乗っていないものの、点線に近いので、誤差範囲として予測通りと判断しました(橙プロット)。一方③④⑤ではかなり点線からは離れています(黒プロット)。とくに③と④の差が大きいのが分かりますが、客観的に見ると、よくある『中だるみ』が起きている可能性があると考えます。一方で、主観的な感想(以前のブログ)と比べると『③は水切れによるペースダウン、④は復活した』と書いています。状況判断による速度変化の影響とも捉えられますが、実際はどうなのか・・・

 

まずはこの部分は③④の問題定義だけにしておいて、次の分析へ。

 

上り下り別SUUNTO分析

SUUNTOの気に入っている点は、直ぐにエクセルに詳細なデータを取り出せるところです。(来年には無くなる予定みたいですが・・・)

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自分で作った計算式を元に上り下りに分けて分析

そのデータを元に、上り下り別の『相対的心拍数』『スピード』『ケイデンス』を比べます。赤のラインが上り、青のラインが下りの値を示しています。私の今の課題は、上り下りの差をできるだけ減らすこと。△の列がその差を見ていますが、速度の差が大きい(1.4)。上りの速度が遅く(上り:下り=7.4:10.5)、ケイデンスも上りで稼げていません(上り:下り=76:90)。

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上りの足の回転数を上げるのが課題

特に今課題として挙げていたケイデンスの差を減らす、という点は今回のレースでは発揮できていませんでした。

 

むむむ。

 

速度/維持改善マトリクス

最後にGAP分析と上り下り分析をもとに、主観的な感覚と合わせていきます。縦軸に予測タイムより遅かったか遅かったか、横軸に維持すべきか、改善すべきかを基準に今回のレースの事象を分けて評価していきます。主観的なものだけだと、感情に引っ張られるので、本当に良かったのか、ダメだったのか判断ミスしやすいので、客観的なデータを元に、自分の感情がどこに当てはまるのかをまとめます。

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付箋に書き出してマトリクスに当てはめる

 

実際にはもっと書いています、上のは一例として出しています。実際には、遅かった点についての改善点、逆にそれでも攻め続けられた要因としての維持すべき点が多く上げられました。

 

今回の課題は2つ

3つの分析を用いて、最終的に今回のレースは自分にとって、力を出せていたのか、課題はクリアできているのか、次の課題は何かを考えていきます。

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総合的なタイムに影響を与えたのは、上りの③の区間の速度ダウンが大きく影響を与えたと考えます。さらに同じく速度ダウンをした④との共通するコースプロフィールから『登りきってからの下り』が苦手だと、そこが次の改善すべきだと考えました。ケイデンスが上り下りで差が大きかったこと、水切れ③区間から脱却されたと思った後の④の区間でもペースを回復できていない点からも課題が明確です。

 

また、GAP分析の結果、予測式の傾きと今回の実走タイムによる傾きが同じだったと評価された(上には詳細に書いていませんが)ため、現状の力は出せた、と判断しましたす。つまり予測より落ちている走力を取り戻すべき、ベースアップが必要です。一方で、その評価をする予測式の精度としては、④の区間のようなコースの場合大きく外れる場合も考えられるため、算出式の改善も必要だと判断しました。

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チカラは出し切ったと判断できるがそもそものベースアップが必要

以上が、いつも行っているレース後自己分析です。

秋に向けて、今トレーニングに励んでいるのは、ベースアップ。上場の力が予測タイムより離れている、ということは以前よりもベースの体力(速度)が落ちていることになるので、まずは上りきった後の下りをイメージしたトレーニングは入れながらも導入期までにして、鍛錬期の今は平坦を速く走る練習を取り入れてベースアップを図りたいと思います。

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レースごとにノートにまとめて常に持ち歩く

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遠征中は毎日その日の出来事について日記を書きました。こちらも合わせてご覧いただけると嬉しいです!

k1m1n0.hatenablog.jp