キミノの大冒険

12月はコツコツと。

笠戸島のトレイルレースで試した運動後のアスリート健診

今年で4回目となった『くだまつ笠戸島アイランドトレイル

第一回目以降久しぶりの招待選手として呼んでいただき、今年初レースとなりました。

kasadojima-islandtrail.com 

アスリートとしてのレース参加

いち山口出身者としてだけでなく、いちアスリートとしてレースに参加することで地元を発信したい、優勝して全国のトレイルランナーの方々にこの大会を知ってもらえれば、と。そう思い今回は招待選手として出走させていただきくワガママを通してもらいました。が、残念なことに準優勝。。。予想外。笑

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とは言え、今回優勝を飾ったモエコちゃんは、昨年のテイネトレイル(北海道)で出会った女性。大学の卒業記念に、とわざわざ北海道から山口を選んでくれたことは、もう嬉しくてたまらない出来事でした。

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ここのロケーションが笠戸島のイチオシポイント!

コースの魅力は昨年のBlog(笠戸島のトレイル様)でお伝えしたので、今回はアスリート目線のお話を。4月のUTMFが今年のメインの大会のため、それに向けてロングトレーニングを冬場にしてきました。笠戸島のある時期はまだ鍛錬期ではありますが、現状のスピードを把握するためにも、全力で走りました。

 コースの紹介

まずはコース情報をストラバからご紹介 ⇒ くだまつ笠戸島アイランドトレイル2019 

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途中ロストしたり、捻挫してうずくまっていたのもあるけれども、ミドルレースではこのスピードが精一杯

4回目の出場ですが、ロストする、という致命的ミス!これまで3回も走っている、という少なからず過信していたのは事実。。反省点。心拍数については、いつも通りなのですが、これも新しい分析方法を見つけたので、また違う機会にでも話したいと思います。
 

アスリート健診による血液検査分析

UTMFに向けて今年から導入したセルフ血液検査。いかに怪我をせず体調を崩さずに走るかは、普段の食事や体調の状態を把握する必要があると思い始めました。さらに今回は初めて『 アスリート健診 』を用いて、レース直後の血液検査をしてみました。

詳細はこちらから:アスリート健診

 

アスリート健診は、自分で採血+遠心分離を行い、ポストに投函して1週間待つだけで結果が届くので、どこでもいつでも自由にが嬉しいポイント。

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アスリート健診キットの中身

レース直後の血液データは見たことがなく、どのような結果なるのか興味深く待っていました。そして帰ってきたデータがこちら。赤く表記されている項目が改善必須になるのですが、今回はγ-GTPについて気になったので、調べてみました。

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レース後のアスリート健診の結果

γ-GTPの高値

私の場合、通常は10を切る数値なのですが、今回は37まで上がっています。なぜこれが気になったかというと、すぐに思い当たるのがアルコール。MFまで3か月を切っている中、すぐにでも禁酒をしなければならないのではないか、、、とすぐに飲酒量を減らしました。。

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γ-GTPが通常高値になる原因

しかし今回の場合はレース直後の血液検査のため、アルコールも飲んでいないし、その他の項目すべて当てはまりません。では、どう解釈するべきか。。。この健診キットの販売元であるスポーツ栄養士の先生に相談してみました。

 前提の話

まず初めにこの検査で分かることは『臓器障害によってγ-GTPが高くなっている。
ということ、これが前提の話でありることは頭に入れておかないといけません。 

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アスリート健診結果で分かったこと


その上で、ここからはγ-GTPの機能を考えて予測できる話をしてみます。

 

γ-GTPは主に肝臓や腎臓で作られる酵素です。そして、身体の何らかの障害や刺激が与えられると、組織が壊れて血中に染み出てくる酵素でもあります。この障害や刺激というのは、通常先ほど書いたような高値になる原因の事を言います。

 運動によって起きたものだと仮説を考えてみる

今回の場合は上記の項目には当てはまらないため、運動によって臓器障害が起きている、という可能性が考えられます。←これがまず1つ目の仮説。

 

では高値を示しているγ-GTPが何がいけないかというと、"グルタチオン”という体内で合成することができる自然の抗酸化物質を、直接分解できる役割も持っているからです。

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γ-GTPの役割の1つ

そのため γ-GTPが高値を示している、ということは、この抗酸化物質であるグルタチオンを大量のγ-GTPによってどんどん壊している可能性があるのです。←2つ目の仮説。

 

肝臓が炎症しているのにも関わらず、修復するための抗酸化物質も壊されては、肝臓にかかる負担が大きく、これ以上運動を行うと肝臓のトラブルになりかねません。エネルギーを作り出す役割もある肝臓が弱っているということは、運動中に食べたものをエネルギーに変換できなくしているという事も考えられます。

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昨年のUTMFは食欲もなく、寒くなり動けなくなる。。。

これは100マイルを走ろうとしている私にとってはかなり危機!

がしかし、そこは検査では分からないのであくまで理論的に考えられる予測です。ただし今回の測定が運動後、という条件であればその可能性は大いに考えられるので、臓器の炎症を防ぐ対策を取る必要があるとは言えると思います。

 

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今回の対策は2つ

役割の多いビタミンB2

時間の長い持久スポーツは特に、糖質だけでなく脂質もエネルギー源として使われます。むしろ、糖質節約のためには脂質がエネルギーになることは良いことなのですが、、、脂質がエネルギーに変わる時、着火剤の役割をしてくるのがビタミンB2です。そのため、ビタミンB2は必須!!しかし、このグルタチオン生成にもビタミンB2は必要となるため『脂質が使われる→B2も使われる→グルタチオンできない→肝臓の異常が発生する』という状況も予測できます。

 

特に今回のレースではエネルギー摂取を最低限にして走ったことを考えると、糖質摂取量が足りずに、脂質代謝が進んだ結果、γ-GTPが高値を示した可能性が考えられます。

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糖質摂取不足によって血液データが高値を示した可能性が考えられる。

と、一つの指標でここまで深掘りをしてみると、アルコールが原因かも!とお酒をやめるという安易な解決策でしたが本当はもっと違うところに原因がありました。レース中の糖分の摂取量については、食べないでも走れる!と少し勘違いしていたので、メインレース前に知れたのは、しかも100マイルという長時間運動時には欠かせない情報を手に入れたのはかなり強い味方になりました。

 

とはいいつつ、勘違いによって気持ちよく禁酒にも入れたので、それはそれでいい事。笑

 

アスリート健診キットは、 3月29日発売のTRAIL RUNにも紹介していただきました!

www.yamakei.co.jp

 

データを分析することは、自分のやるべき方針が定まる。また自信もってトレーニングを詰める、レースに挑めるので余計な邪念が無い。それがデータ分析の醍醐味。

 

今年はレースごとに色んなデータ分析結果を上げていく予定なので、お楽しみに(^^)/

次回レースは4月26日UTMF。人生二回目の100マイルへの挑戦です。

www.ultratrailmtfuji.com

応援よろしくお願いします(*^^*)