ハセツネの参加賞が届きました。きちんとこうした形で、選手ひとりひとりに書類と一緒に送ってくださるのは、すごく気持ちいいものだなと思いました。レースを運営する上では当たり前の事なのかもしれませんが、気持ちが伝わるなと感じました。
今回、ハセツネに参加に向けて動いていた時、やはり知っておかないといけないのが長谷川恒夫さんの存在。大会ホームページの大会主旨にも書いてありますが、長谷川恒夫さんに敬意を示してこそ、本当の意味でのハセツネCUPを目指すべきだなと感じます。
ソロクライマーとしてヨーロッパアルプス三大北壁冬季単独初登攀や南米アコンカグア南壁冬季単独初登攀という、数々の記録を達成した世界的クライマーである長谷川恒男の業績を讃え、大会の象徴として長谷川恒男CUPを設けました。彼は東京都山岳連盟に所属していました。彼の自然と山と人を愛し、未知への飽くなき挑戦心を継承し、青少年に夢を与える『日本山岳耐久レース』の報奨として、男女の優勝者には、長谷川恒男CUPを贈呈致します。
参照元:ハセツネCUP 大会趣旨|ハセツネ(長谷川恒男)カップ 日本山岳耐久レース
全てを網羅して長谷川さんのことを学んだとは言えないのですが、今読んでいる本にも何度か長谷川さんについて書かれていたこともあり、今回のこのタイミングで近藤謙司の本を紹介したいと思います。長谷川さんとのエピソードについては詳しくは書いていないのだけれども、お、お、と名前が出る度にハセツネに向けての士気が高まっていました。笑
著書であるアドベンチャーガイズの近藤謙司さんから直接買わせていただいた本です。以前のブログでも少し書きましたが、本当に気さくな方で、わたしなんかでも『山行こうよ!』とすごく楽しませてくれるエンターテイナーです。
この本の面白いと思ったところは3つ。
- 本人が話しているかのような書き方である
- 一人一人の方への素直な感情と敬意が感じられる
- アドベンチャーガイズの設立秘話を知れる
本人が話しているかのような書き方である
まず近藤謙司さんがしゃべっているかのような、そのままの口調でつづられているところ。実際に何度かですが、お会いしてお話したことがあるのですが、座って、足組んで肘を机の上に置いて話してくれてるかのような。そんな感じにお話したことはないんですけどね。笑
ヒマラヤ遠征中に菊池桃子さん宛てにメッセージを送ったというエピソード
はじめは時の人に手紙を出したほうがいいなと思って、松田聖子に出そうとしたんだけど、連絡先がわからなくて。「どうしようかな」と思っていたら、たまたま手元にあったのが芸能雑誌。チョモランマのスポンサーになっていた光文社からもらったやつなんですけど、そこに菊池桃子さんのファンレターの送り先が書いてあったので、「あ、菊池桃子がいいや」ってファンレター出したんですよ、ベースキャンプから(笑)。「今、ベースキャンプにいます。僕たちのことを菊池桃子さんの番組で取り上げてもらえると嬉しいなぁ」みたいなこと書いて。・・・
引用元:ぼくは冒険案内人 p107
この続きが面白いからぜったいに読んでもらいたいです。笑
リラックスして、その方の歴史を知れる、そんな書き方でつづられているので、とても面白くそして、こんな文章の書き方もあるんだなと勉強させてもらいます。
一人一人の方への素直な感情と敬意が感じられる
これまで出会った方の実名とその時の感情を素直に書かれているのです。もちろん、その書き方ができるのは、それぞれの方への尊敬と信頼関係があるからだと思うのですが、なんせ、そのまま。笑 ぼこぼこに殴られた話とか、給料が安くてもやもやしてた話とか、先輩登山家の方をモグリとか。笑笑
僕、チャラいじゃないですか。口の聞き方とかもけっこう慣れ慣れしいから、カチンとくる人だっているでしょ。それでなくたって、新人はみんな歯がなくなるぐらい鎌田さんにぶん殴られるんだから。山仲間の結婚式の時には・・・(省略)
引用元:ぼくは冒険案内人 p82
実名でありとあらゆる過去がそのままに。笑 山仲間の結婚式の話はぜひ本書で。笑
それでも、その方々の性格とか登り方とか、山へのリスペクトの感覚とか、それぞれ違ってそれが面白いってことがなんか伝わってくるのです。仲の良さももちろんあると思うのですが、山岳地帯での仲間意識ってやっぱり強いものだなと感じます。
アドベンチャーガイズの設立秘話を知れる
やっぱりここかなと思います。どんな会社でもそうだと思いますが、会社を立ち上げるには相当な覚悟と相当な努力が必要なのだと思います。私も山のことで何かしたい、という考えがあるので、知りたい、というのがこの本の最初の動機です。知ったうえでもっともっと近藤謙司さんのことを直接お話できれば、とおこがましいですが、そう思ったのです。
アドベンチャーガイズを設立する際に、要となる方がいらっしゃいます。その方が古谷聡紀さんです。ん??!と思ったのが、古谷さんの文章はよく山の雑誌で読ませてもらっていたからです。
そして、またご本人の本を直接手渡しでいただきました。
この本についてもまた紹介したいと思います。
日常の面白エピソードばかりを出してしまいましたが、多くの高所登山を経験されている方だからこその、山のシビアな部分も描いてあります。その時どのような判断があり、どのように感じたのか、それは実際に海外の山へ登りに行くことができない私にとっては、とても刺激的な言葉ばかりが綴られていました。
そして何より、多くの人の名前が出てきました。人との関わりをとても大切にされる方なのだなと、感じました。この本を読んでいて、色んな登山家の方の本も読んでみたいなと思いました。ただ、たくさんの登山家の方々が登場したので、ちょっと頭がクルクルしていますが。笑 何度も読んで、相関図を作ってみたら面白いな、と思いました。
まだまだ紹介したいなと思うところが多いのですが、特に山の中での話とか・・・その前の段階で長くなったので、またこの本の感想は改めて書きたいなと思います。
ぜひ手に取って読んでみてください(*^^*)
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