今日は念願の植樹の機会をいただいた。
NPO法人 丹沢自然保護協会が主催する「第44回コリドー(緑の回廊)を丹沢から」というイベントにTHE NORTH FACEが協賛しているということで、ノースアスリートである私も参加させていただけることに。
さまざまな環境問題への取り組みがある中で、私たち山を遊び場とする者としては森をつくること、それがとても大事な行動の一つだと感じていた。その土地にあった、その土地が好む木を森を作ることがどれだけ大事か、下のリンクのPodcastが分かりやすいので、ぜひ聞いて欲しい。
日本にもともと生息していた原生林。過去に伐採されたことがなく、人為の影響のない森林、それは地球が求めて作り上げてきた植物生態系の最終形態が原生林である。
その原生林が、50年前のある調査では国土の0.04%も無いという報告もある。
日本は国土の約3分の2が森林であり、世界的に見ても森林の多い国であるが、そのほとんどが人の手を加えられた森である。
森は、あらゆるものを浄化し、あらゆるものを生かす生産者であり、自然の空気清浄機である。また、土地本来の森林が育っていれば、根っこが岩をも溶かす勢いで大地を抱え込む力を持つ。葉や枝、幹そして枝全てで水をコントロールする機能を持っているので、緑のダムとも言われ、火災や地震、津波からも守ってくれる防災の機能も持つ。
熱を吸収してくれる機能を持つ土地本来の森が減るということは、温暖化の1つの原因でもある。CO2削減だけが温暖化、気候変動への解決策ではないことを森は教えてくれる。
森をつくる、と言っても一個人が携わるには大きすぎる問題でもある。その土地を調査し、苗木を育て、気が育ちやすいように大地を整え、植樹する。そしてその後も、保護し、手入れし、データを収集していく。
今回参加した丹沢自然保護協会の方が育ててくれた苗木は、この土地を調査し、ここに育っている木からタネを採取し育ててくれたものもある。また、熊のフンを採取し、そこから熊が食した木の実のタネを取り出し、苗木にしてくれたものもあるという。
クマが食べれる木の実があれば、住宅街に降りてくることもないのだ。人間が住む場所を壊しているのに、住宅街に出てきたら悪者扱いにする世の中も、きっと防げる。
今日行ったのは、森を作る作業のほんの一部。植えた苗木がその土地に適合し、森へと変わるのは、これから100年後、200年後の世界。自分たちが生きていない時代のことではあるものの、今生きている私たちが行動しなければ変わらない世界である。
今回行ったことは森づくりに必要な1つの行動であり、続けていく重要であることは確かだが、この行動が結果的に普段の自然を大切にする習慣へと繋がることは間違いない。そして、自然の中で遊ぶトレイルランニングというアウトドアスポーツの素晴らしさだけでなく、そのフィールドである自然を大切にするマインドも、これを見てくれる皆んなと一緒に共有していければと思う。
個人では参加しにくいと思っていた植樹活動だが、ノースフェイスとの企業連携でノースアスリートの私も参加が叶った。物作りだけでなく、私たちが遊ぶフィールド作りをも、アスリートと一緒に考えてくれる、素晴らしいブランドに感謝したい。