キミノの大冒険

12月はコツコツと。

トレイルとロードを走る違い②あなたの弱点が見えるかも

昨日、トレイルランニングとロードランニングについて、路面をテーマにバランスをお話ししました。固い地面と柔らかな地面でどのくらいの差が出るのか、書いてみました。まだ読んでない方はぜひ読んでから今日のを読んでもらえればと思います。

k1m1n0.hatenablog.jp

 

今日はより登山を想定した傾きに注目した話をしていきたいと思います。昨日の話で質問してみました。下記のパターンだと一番バランスを崩すのはどれか。

f:id:k1m1n0:20201208115037p:plain

どのパターンが弱いのか

 

まずは気になる上りと下りの関係性から。これは登山を想定すると大いにあり得る足の向きです。登りと下り、そう考えてもらえればいいかと思いますが、傾斜角度が25%の斜面上にて閉眼方足立をした際の変化です。

f:id:k1m1n0:20201208143446p:plain

固く平らな地面を基準とした場合の変化値1

例えば、基準の状態でのバランステストが100秒だった場合に、下り立ちは52秒、上り立ちは42%という結果だった、ということになります。

 

そう、傾斜がついた場合にバランス能力は一気に半分まで落ちしてしまうのです。この状態で走るとどうなるのか、これはトレイル、ロードに関わらず課題が見えてきた方もいるのではないでしょうか。前後の体の軸が取れるようにトレーニング中の足関節の位置も気にしてみるといいと思います。

 

この論文では言及していませんが、上りは下りよりも平均値が低い結果でしたが、個人差を示す数値は大きい傾向が見えました。つまり、下りは得意不得意が大きい可能性があるため、一般的に上りの方がバランスをとりにくい!とは言いきれなさそう。ぜひご自身でどっちがバランスがとりにくいかチェックしてみてください。

 

次に谷足、山足の場合を見てみます。ロードでも場所によっては路面状況が悪い場所ではこういった状況で走ることもあるかもしれません。ロードを走る時、道路の端っこではなく、道路の真ん中を走れと駅伝部の時に監督からよく言われていましたが、それを論づける結果となりました。

f:id:k1m1n0:20201208153143p:plain

固く平らな地面を基準とした場合の変化値2

驚くのは、山足のバランスの悪さです。圧倒的に低い数字を出しています。なぜなのか、この論文の著者はこのように説明しています。

 

 

スキーで斜滑降を行う際に、谷足で立つよりも山足で立つ方がバランスをとりにくいが、これと同様の現象と言えよう。この理由として、片足で立つ場合には体の中心線上よりも接地足側に身体重心を寄せなければならないが、谷足条件の場合には傾斜によって重心を引き寄せやすくするような作用があるのに対し、山足条件ではその反対の作用があるためと考えられる。

 

現場でもそう感じている。。。スキーわからないからこの冬試してみます!笑

 

傾斜別をまとめると下記のような結果となりました。

 

f:id:k1m1n0:20201208142640p:plain

固い平らな地面に対してする変化値

山足の状態を一番気をつけないといけない、つまりこの状態でトレーニングをすることで様々な路面の状態でも体の軸をうまく動かせ、怪我を予防し早く走れる可能性があると言えます。

 

 

 

さて、ここで忘れてはいけないのがこの4つのパターンを柔らかな路面でするとどうなるか。今話していたのは「固い地面×傾斜」今度は「柔らかい地面×傾斜」この場合はどうなるでしょうか。

 

スポンサーリンク

 

 

 

先ほどと同じパターンの状況で柔らかな地面の比較も行ってくれています。(斜面上に柔らかなマットを敷いたのか、マットの上に斜面の板を置いたのかは明記されていないので、イラストは後者を想像して表現しました。)

f:id:k1m1n0:20201208164825p:plain

柔らかな地面の場合はどうなるのか基準値に対する変化値


もうほぼ立てない状況になっています。まさにロードとトレイルの違いを示すものだと思いますが、皆さんどうでしょうか。頭がこんがらがってきたと思うので、昨日と今日の話をまとめてみました(下の図)

 

f:id:k1m1n0:20201208163946p:plain

まとめるとこんな感じ

この図で分かるかな。笑

いろいろ考えたんだけど、こうなっちゃった。笑

 

今回の論文の結果を受けてどのように自分に落とし込むか、私なりに考えてみたので参考にしてみください。

 

トレラン始めるならまずは公園から!

ロードからトレイルを走ろうと思っている方もいらっしゃると思います。今回の論文では、整地(ロード)から不整地(トレイル)この変化だけでも、バランスは7割減。筋力の不安がある方は、まずは公園やクロカンから走ることを始めてみてください。

 

坂道がとにかく苦手!な場合は軸を意識

傾斜がつくとバランスは5割減。ロード、トレイルかかわらず坂道が不得意だ、と言う方は段差を使ってバランスを鍛えましょう。道路の縁石や階段、もしくはもっと低くマガジン雑誌などを使ってやってみるのもいいと思います。

 

オフロードに弱い方は普段から不安定を作る

ロードとトレイルの走力に差を感じる人も少なくないはず。小さなバランスボールを使って不安定な環境を作ってバランスを鍛えてみてください。筋トレではなく体幹の軸を覚えされるのが目的のため、どれだけ力を抜けるかがポイント。踏ん張らずに体勢を整えましょう。

 

チェックすることで自分の不調に気づく

トレイルは慣れてきたんだけど怪我が多い、長い距離だと疲れてしまう、最近ちょっと不調かも。と言う方は、体の軸が崩れている可能性が高くなります。どのパターンが崩れているのかまずはチェックしてみましょう。差が大きいところを重点的に鍛える、そしてそれが何が原因でなっているのか、疲労なのか痛みを庇っているのか原因を追求して根本から解決しましょう。

 

さて、どうだったでしょうか。

実は私も最近山を走ることが増え筋力が戻ってきたものの(コロナで走力ダウンしてました)軽い捻挫が多くなりバランスがおかしいなと感じていました。今回の論文を振り替えたのは自分のため。笑

これを読んでる方にも少しでも有意義な論文紹介が出来ていたら嬉しいです。

f:id:k1m1n0:20201208173254j:plain

サーフトレーナーで特訓中

片足閉眼立ちの測定方法はこちらから 

今回の参考文献はこちらから

サーフトレーナーはこちらから

 

女性アスリートとして、大学院で学んだ山の運動生理学について、環境問題についても、トレイルランニングを通して得た情報を発信していますので、よかったら下の画像をクリックして応援してください♩

にほんブログ村 その他スポーツブログ トレイルランニングへ
にほんブログ村