絶対に勝ちたかった。
でも、勝ちたくて、壊してしまった。
心拍、補給、電解質、ペース配分。
全部、自分で崩した。
自分の作法を裏切ったことが、今回一番悔しい。
それでも、もう一度、走り直す。
そのために、今の自分を記録しておきたいと思います。
このチャンスを逃したくないという強気
今回のSnowdoniaは、勝てるチャンスがあると思いスタートラインに並びました。
調子は悪くても、これまでの経験で、積み上げてきたものを出し切れば、必ず結果はついてくる――そう信じていた。
でも私は、その「強気」に飲み込まれてしまった。
心拍が高くなっても「100kmならいける」と思った
スタートして間もなく、心拍が上がっているのがわかった。
でも、今回は100km。いつもの160kmより短い。
「これくらいなら、最後まで押し切れる」
そう思った私は、自分でこれまで築き上げてきたウルトラトレイルの“走りの作法”をひとつずつ崩していった。
終盤、身体は悲鳴を上げた。
嘔吐、下痢が始まり、脚は止まり、心は折れそうになった。
これは、もう“私の走り”ではなかった。




身体の違和感を無視した代償
心拍、内臓、補給のタイミング。
全部、ズレていった。
いつもなら気づけたサインに、今回は気づかないふりをした。
勝ちたい、勝てるはず。
その焦りと過信が、自分自身の冷静さを奪っていた。
ウルトラトレイルは、人との争いではなく、自らとの戦いなのに。




諦めたのは、自分だった
他の選手を甘く見ていたわけではない。
でも、最後までちゃんと走れば勝てた。
それなのに、途中で“諦めてしまった”のは私自身。
順位ではなく、自分の戦いを最後までやりきれなかったこと。
そのことが、一番悔しい。
ゴール後、トップとのタイム差を知ったとき、情けなさを感じた。
作法を、もう一度信じる
私はこれまで、心拍をコントロールし、 エネルギー補給の調整をし、 最後まで諦めない走りのメンタルも含めて、自分の“走りの作法”として築き上げてきた。
その作法を、もう一度、信じ直す。
100kmでも、160kmでも、自分の走りをする。
トレーニングも見直して、
わたしの作法を磨き直し、次はブレずに走る。
そして、またスタートラインに立つ
私は、勝ちたくて、壊した。
でも、それだけ自分の作法が、どれだけ意味のあるものだったかも、知った。
そして、知らないことを知れた。
だから、また走り直す。
だってまだ本番のスタートラインに立つまで時間があるから。
今度は、自分らしく走るために。
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