キミノの大冒険

次のレースはUTMB

勝ちたくて壊した、走りの作法

絶対に勝ちたかった。
でも、勝ちたくて、壊してしまった。

 

心拍、補給、電解質、ペース配分。
全部、自分で崩した。
自分の作法を裏切ったことが、今回一番悔しい。

 

それでも、もう一度、走り直す。
そのために、今の自分を記録しておきたいと思います。

 

ゴール後、悔しさで起き上がれなかった photo Tanaka Ranyo



 

このチャンスを逃したくないという強気

 

今回のSnowdoniaは、勝てるチャンスがあると思いスタートラインに並びました。

調子は悪くても、これまでの経験で、積み上げてきたものを出し切れば、必ず結果はついてくる――そう信じていた。

でも私は、その「強気」に飲み込まれてしまった。

朝の4:30スタート photo Tanaka Ranyo

 

心拍が高くなっても「100kmならいける」と思った

スタートして間もなく、心拍が上がっているのがわかった。
でも、今回は100km。いつもの160kmより短い。


「これくらいなら、最後まで押し切れる」

 

そう思った私は、自分でこれまで築き上げてきたウルトラトレイルの“走りの作法”をひとつずつ崩していった。

 

終盤、身体は悲鳴を上げた。
嘔吐、下痢が始まり、脚は止まり、心は折れそうになった。
これは、もう“私の走り”ではなかった。

 

激しいアップダウン、テクニカルトレイルを得意とする男性ヨーロッパ勢に着いていった photo Tanaka Ranyo
石畳みのルートが少しずつダメージを蓄積させる photo Tanaka Ranyo



身体の違和感を無視した代償

 

心拍、内臓、補給のタイミング。
全部、ズレていった。
いつもなら気づけたサインに、今回は気づかないふりをした。

 

勝ちたい、勝てるはず。
その焦りと過信が、自分自身の冷静さを奪っていた。

 

ウルトラトレイルは、人との争いではなく、自らとの戦いなのに。

 

ポールの使い分けが勝敗を分ける photo Tanaka Ranyo
中盤から走れるトレイルに変わっていく photo Tanaka Ranyo



諦めたのは、自分だった

 

他の選手を甘く見ていたわけではない。
でも、最後までちゃんと走れば勝てた。
それなのに、途中で“諦めてしまった”のは私自身。

 

順位ではなく、自分の戦いを最後までやりきれなかったこと。
そのことが、一番悔しい。

 

ゴール後、トップとのタイム差を知ったとき、情けなさを感じた。

 

ただ走るだけになっていた photo Tanaka Ranyo

 

作法を、もう一度信じる

私はこれまで、心拍をコントロールし、 エネルギー補給の調整をし、 最後まで諦めない走りのメンタルも含めて、自分の“走りの作法”として築き上げてきた。

 

その作法を、もう一度、信じ直す。
100kmでも、160kmでも、自分の走りをする。


レーニングも見直して、
わたしの作法を磨き直し、次はブレずに走る。

 

今回の1番の敗因は補給のミスだと思っている photo Tanaka Ranyo

 

 

そして、またスタートラインに立つ

 

私は、勝ちたくて、壊した。
でも、それだけ自分の作法が、どれだけ意味のあるものだったかも、知った。

 

そして、知らないことを知れた。

 

だから、また走り直す。

 

だってまだ本番のスタートラインに立つまで時間があるから。
今度は、自分らしく走るために。

 

次のスタートはもう切っている photo Tanaka Ranyo

 

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