初のトレイル100k越えにチャレンジし、1位スタートするものの、エイド3の50.7k地点にて先頭を譲ることになった。
まだチャンスはある。最後まで変わらぬ思いだった。
けどエイド4までの道のりは遠かった。前後に選手が居なくなり、ひとりで走る時間が増えて行った。ひとりで走ると弱くなる。時々歩いた。でも歩いても時間かかるだけだと必死に走り続けた。
エイド4「高森町町民体育館」66.6k地点
8:54:15 経過 (女子2位。1位と10分差 )
やっとたどり着いた場所に、サポートしてくれた三浦さんが居てくれた。仕事の関係上、もう空港に向かうと聞いていたが、前のエイドで心配になりヒッチハイクして来てくれたそう。
「やっと来た~おそいぞ~」の声掛けに実は泣きそうだったんだけど、レース中だし、このエイドには沢山の知り合いが居たので泣き顔は笑われるので我慢した。笑
チームメイトのオニさんに、メディカルサポートの高木さん、芥田さん、ボラしてくださった朝飛夫婦、川崎さん。
みんなが話しかけてくれて、いつの間にか「チームきみの」みたいになっていた。笑
もう休みたくて横になりたくてたまらなかったけど、みんなが元気をくれた。足も肺も動かないから、ひとつひとつが細かく動かせない。荷物もひっちゃかめっちゃか。
後で聞いた話によると「きみのはピクニックのように荷物を散らばしてた」って言われていたらしい。笑
実は、エイドに入った時、休憩していた1位の吉田さんを見つけていた。(休憩中に3位の選手も入ってきていた。)でも長く休けいさせてもらった。もうクタクタだったので、ゆっくりでも後半戦を戦うために、気分を変えたかった。気持ちだけじゃなく、朝まで降っていた雨でぬかるんでたトレイルで転んで汚れていたウエアもシューズも、ここでチェンジした。
Tシャツも変えるのに更衣室に行く時間も勿体無いので、その場で着替え。下にちゃんと見られてもいいパラマウントタンクを着ていたんだけど、男性陣はみんな後ろを向いてくれた。笑
ここでも大笑いで元気になった。笑
ロードが多いなぁトレイルがいいなぁと思っていたら、ここからはひたすらトレイル。夕日が山の凹凸をきれいに映し出していた。
「あ~きれいだ」
さっきのエイドで受けたマッサージや治療のおかげで動けるようになり、山がすごく綺麗だと感じれた。
そんな時に、オフィシャルカメラマンの小関信平さんに出会う。
いつも挨拶するときはサングラス取るんだけど、疲れていてそれすら出来ず。しかも言葉出ず、目線合わせて手を振るだけしかできなかった。
エイド5「高森峠」76k地点
11:14:58 経過(女子2位。1位と15分差)
とうとうギブアップ。ジェルが入らないから、バナナ2分の1個だけ食べて、横になった。横になると消化出来ることを学んだ。ここでも知り合いに何名かあった。しゃべると元気になる。不思議だった。
ここで一つの決断。15分間横になると。
ここからはナイトセッション。集中力を戻すために目をつぶった。
横になったおかげか、バナナのおかげか、スーパーマリオになれた。笑
全く動かなかった足がフルに動きだし、全力で追えた。真っ暗になるまでライトも点けずに猛追した。でも、長くは続かず、バナナ2分の1個分だけのパワーだった。
エイド6「清水峠」84.8k地点
12:51:45 経過(女子2位。1位と25分差)
はじめてエイドのスタッフに前との差を聞いた。なかなか動かない足に苛立ちを覚えながら、悔しさを口に出してた。
でも不思議とまだ行けると思った。だって最後にロストするかもしれないしって。笑
バナナ以外は食べれなかったので、かわいいくまモンは写真に収めさせてもらいスタートした。(レース中唯一の写真)
食べたらスーパーマリオになれるんだけど、続かない。集中力が切れ、横の川で足の泥を洗い流し、顔を洗い、また前に進んだ。真っ暗の中、耐えきれなかったときは1分だけ後ろにバレないようにライトを消して横になった。
エイド7「地蔵峠」97.7k地点
15:30:44 経過(女子2位。1位と34分差)
チームメイトのオニさんが居ることを聞いていた。ひたすら続く「〇〇峠」に騙され、ひたすら続く階段地獄に耐えながらやっと到着したが、満身創痍。
5分経ったら起こしてくれと、お願いし目を閉じた。
この時、眠さはなく、目を閉じてもガンガン耳からの情報は入ってきたが、一度シャットダウンしたかった。
ラストがんばれ!というオニさんの言葉にパワーをもらい、ラスト11k。これがロードなら1時間なんだけど。笑
最後の俵山。
このボスがなかなか倒せなかった。終わりの見えない坂、霧がすごくマーキングが見えにくい。ただ、感が冴えてて迷うことなく行けた。後ろから来たランナーも連れて、軽快に走れ最後のボスも倒せた。
が、最後の最後にガス欠。
ジェルを2本注入するものの、しばらく動けない。ふらふらしてるところに、2人のランナーが来た。名前を呼ばれ、一緒に行こう、と言われた。もうヘロヘロで走れず、無理だと言ったが、一緒に行こう、と連れて帰ってくれた。
ゴール「俵山交流館 萌の里」
18:36:30 終止符(女子2位。優勝タイムと50分差)
ゴールの明かりが山の上から見えたとき、涙が出そうだったが我慢した。
最後のゴールゾーン。連れて帰ってくれた2人のランナーの恒例だという扇をお願いされた。もちろん!と答えたものの、ヘナチョコのカラダには2人の男性を支える力がなくフラ付いた。
辛くて長くて何度も歩いたけど、力をもらったのが、たくさんの友達・仲間・スタッフの方、ボランティアの方、沿道で手を振ってくれた熊本の方、熊本に遊びに来ていた外国の方々。人のパワーは、とてつもなく大きかった。
「待ってたよ」と最後に言われた言葉でレースで初めて人前で泣いた。