キミノの大冒険

Next Challenge OMAN by UTMB 28-30 NOV 2019

3度のエベレスト登頂達成を支えた、ノーベル賞を取った低酸素誘導因子『HIF』のお話。

先日立山を走った時に感じた、低酸素によるパフォーマンス低下。やっぱり、低酸素環境下に暴露されるだけではだめで、しっかり走らないとな、と反省しました。泣

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息切れで走り切ることができなかった

 先日の様子はこちらから👇

k1m1n0.hatenablog.jp

 

 

それからトレーニングの方法を見直して、今週はじめから新しいトレーニングを入れているので、毎日眠いです。慣れるまであと7日は我慢。。。

 

 

 

さて今日は投稿1時間遅れてしまいましたが・・・低酸素のお話。先日、低酸素の研究がノーベル生理学・医学賞をとったというニュースに、驚いた方も多いと思います。

 

www.nobelprize.org

 

 

前からこの遺伝子の存在は知っていたものの、遺伝子は専門外だし難しくて懸念していた分野でしたが、この偉業は知っておかねば、と我慢して勉強してみました。笑

 

 

 

 

今回の偉業というのは、細胞が酸素不足に陥った時に適応する仕組みを発見したことが称えられたのですが、そのキーワードになるのが『HIF:hypoxia Inducible factor 』という遺伝子です。

 

「HIF」とは

身体の細胞内の酸素が不足し酸欠状態に陥った際にスイッチが入り、酸欠状態を脱するため色んな遺伝子に指令を下す役目を持っています。このスイッチがHIFです。 

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スイッチ的な存在


酸欠状態を察知すると働く因子なので、通常は分解されます。低酸素状態になると分解されずに、働きだします。そのメカニズムが分かったことで、腎性貧血治療薬が開発され、日本でも今年の9月に認可されたとか。ガン治療においても研究が進められているらしいのです。

 

アステラスは、低酸素状態におかれた時に起こる生理学的反応を誘導することで赤血球の産生を増加させ、赤血球を増やすホルモンをうまく作れない人工透析患者の腎性貧血を改善する治療薬「エベレンゾ」(一般名・ロキサデュスタット)を開発。9月20日に製造・販売の承認を受けた。

引用元:アステラス株が続伸、ノーベル生理学・医学賞に細胞の低酸素応答

 

 

 

こちらもすっごく端的に書いてるので、興味ある方はこちらのサイトへ👇

とっても分かり易い。

www.gizmodo.jp

 

 

高所生理学と低酸素医学がタッグを組んで得られた世界的な知見にとても感激している私ですが、なぜここを理解しようと頑張ったかというと、更に続きが。

 

 

高所順応のメカニズムをHIFで解き明かす

 

このHIF、日本語に直訳すると『低酸素誘導因子』と言われますが、種類がいくつかある総称であり、そのうちの1つである『HIF-1α』(通称:ヒフワン)があります。このヒフワンは低酸素状態を察知すると、エリスロポエチン、血管内皮増殖因子(VEGF)、NO合成酵素、各種解糖系酵素、グルコーストランスポーター1,3、アドレノメデュン、ヘムオキシナーゼ(HO-1)と言った因子の発現を促します。

 

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低酸素の刺激を受けるとHIF-1αの指令により次々反応していく様子のイメージ図


 

低酸素トレーニングの効果でよく聞く『酸素を運ぶ赤血球数の増加を促す』効果は、このエリスロポエチンの増加によってもたらされる結果です。赤血球を増加させて!という指示する役割をもつのがエリスロポエチンなのです(低酸素刺激→HIF-1α→エリスロポエチン→赤血球増加というメカニズム)。

 

ただし、この反応には個人差があるため、高所順応の個体差を生む原因となるのではないかと、予測されています。

 

ここでこのHIF-1αによる違い、個体差を調べるべく、エリスロポエチンと同様にHIF-1αから指令が出されるヘムオキシナーゼ(HO-1)という因子に注目し、8848mのエベレストへ登った経験のあるアルピニストの低酸素暴露による変化を見たものが、我らが所長の三浦豪太の研究です。

www.sciencedirect.com

 

三浦雄一郎をはじめエベレスト登頂などを果たしているトップアルピニスト4名と、一般男女4名を対象とし、4000mの常圧低酸素室への入室前後(低酸素刺激)で、HO-1をはじめとした遺伝子がどのように変化するのか調べた研究です。

 

結果から話すと、このHO-1が一般男性よりもアルピニストは3倍以上多く出現していたことが分かったのです(Aの図)。一方、低酸素環境(4000m)の暴露前後での比率は、一般の方が大きかったのです(Bの図)。

 

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https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X1102078X

 

あれ、トップアルピニストは低酸素に反応したわけでは無いってこと?

 

 

 

 

 

それが、この論文の面白いところ。

 

 

 

 

 

 

難しいお話なので、今回はこの辺で。

次回へ続く〜。

 

 

 

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