帰国して早くも1週間以上が過ぎました。レースの振り返りもまだまだですが、この連休は、日本母乳哺育学会の学術集会に呼んでいただきました。私自身は子供はいませんが、ありがたいことに昨年の末に「女性がより健康であってほしい、若い女性ももっと運動してほしい」という熱い思いとともに学会長であり、母乳バンクの理事長の水野教授から熱いメッセージをいただきました。
今回わたしは「女性アスリートの健康と未来」というテーマで話させていただきました。女性アスリートが世界で勝負するためには、女性ホルモンとの対話が必要です。まだエビデンスが少ない中で、どのように取り組むことで、トレーニングを積んでいるのか発表しました。
前半は「女性とスポーツ」という大枠について。男女別にみると日本のスポーツ実施率は、男性30%、女性24%と言われています。この運動実施率という基準は下記の通りです。
①週に2日以上
②1日30分以上の軽く汗をかく運動を
③1年以上継続している頻度
これを読んでいる皆さんは上記をクリアしていますか?私のブログを読んでいる人は大方が運動をしている人が多いと思いますが、読んでる方の家族や友人を考えるとこの条件はなかなか高いハードルではないかなと思います。
さらに年代別に分けると下記のグラフになります。30代女性が最も少なく全体の13%しかいない、という結果がでました。私も30代なので同世代の友達を考えると、よくわかるような気もしますが、ただ少なすぎるなというのが正直なところです。
スポーツは健康にいい、というのは誰でも知っていることですが、実際に動くのは難しいところ。女性の20~40代のスポーツをしない理由の5割以上が「仕事や家事が忙しい」が一致で上がりました。次に4割が「めんどくさい」、そして20代と30代が次に当てはまるのが「子供に手がかかる」でした。特に30代女性は4割弱が子供に手がかかると、あっという的に高い数値を出しました。
子供に手がかかるから自分はスポーツができない。けれど「子供にとって運動やスポーツは必要だ」という意見は98%の人がYESと答えたというアンケート調査もありました。
考えてみれば、それはそうだよねという思いではありますが、数字として出されるとびっくりするものがあります。
さらに母親である女性のスポーツ体験(習い事のスポーツ)が子供のスポーツ頻度に影響を与えている、という結果も出ていました。それは男児よりも、女児の方が影響を受けやすく、女児が行う率の高いバスケやバレーボールのクラブ活動のお手伝いや技術的なサポートなどに対して負担が大きいという結果がでました(大橋恵,2020).
女性の私たちがスポーツの経験値をあげることで、子供のスポーツ実施の可能性を増やすことに貢献するのであれば、それは女性たちが積極的にスポーツをすることが大事だなと改めて感じました。
一方でだからといって人には好き嫌いを無理する必要はないと思うので、走りたいけど走れない人のサポートはしたいと思いますが、走ることはどうしても無理、という方に強制することはしたくない。その分、その家族の子供が走りたい、という思いを持っていたら、それを手伝える環境を作りたいなと今やっている活動のモチベーションが上がりました。
発表では女性アスリートとして、私が悩んでいる女性アスリートの三主張についても話しました。学生時代に生理が止まっていたこと、骨密度が低く骨折のリスクが高いこと、貧血になりやすく生理不順をどのようにクリアしてトレーニングをしているかなどを話しました。
最後には、私たち女性アスリートが母親になるときのハードルについて話しました。
これについては、私の経験がないので、友人のママさんアスリートである2人に連絡を取り、写真やお話をシェアさせていただきました。妊娠したらできるだけ動かないようにと思っていた過去とは違い、妊娠前の運動量に応じて、妊娠中のトレーニング制限も変わってきます。
友人たちは自分で妊娠中のトレーニングを学んだといいます。まだ、妊娠中のトレーニングは日本では特に相談にのる場所が少ないのが現状であり、思考錯誤の中トレーニングを行っています。母親としてその状況がどれだけストレスだったのかは私には想像しきれません。ただ彼女たちはとても元気で、そしてその子供たちも元気なことが、私たち次のママさんアスリートの希望になります。(友人の1人は先日双子を産み、4人の息子の母になったとらしい!おめでとうございます!!)
最後に。
母乳バンクという言葉を皆さんご存じでしょうか。私は今回この学会に呼んでいただき初めて知った言葉です。
母乳バンクとは、母乳がたくさんでるお母さんから寄付いただいた善意の母乳です
自身の子供に自分の母乳をあたることができればベストですが、そうできないお母さんが年間5000人いるといわれています。1500g以下で生まれた早産の赤ちゃんにとって、感染や腸のトラブルなど様々な菌から身を守るにために、母乳が薬のような役割をしてくれます。
私自身、姪っ子が500gで生まれたこともあり、母乳バンクの重要性をとても感じました。また、低体重の赤ちゃんは腸のトラブルのリスクがあり、多くの腸内菌を育てるための研究発表も行われました。内容を十分には理解できなかったのもの、私たちアスリートと似ている部分を感じ、より研究結果を熱心に聞くことができました。
今回このような機会をいただき、とても光栄でした。学会2日目の朝には、先生方にランニングの指導もさせていただきましたが、走ることが心身ともに健康になることを改めて感じました。
女性にとってスポーツはまだまだハードルが高いですが、私がママアスリートの友人に希望をもらったように、女性ホルモンで悩む女性たちの希望となれるよう、いろいろな壁を乗り越える過程をシェアしながら、世界に挑もうと思います。
水野先生をはじめ、母乳哺育学会でお世話になった皆様、ありがとうございました!!
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