キミノの大冒険

12月はコツコツと。

白馬に伝わる青鬼の伝説ー青鬼集落RUNー

先日、白馬にはじめて訪れました。

ノースフェイスのお店があることで、アウトドアアクティビティが豊富なことは耳にしていたのですが、どちらかというとウィンタースポーツの街、冬に行く場所、そんなイメージでした。

 

そんな白馬でTHE NORTH FACE Flight Dealer Meetingが開催されることになりました。(この話はちょっと書きたいこと多いので、また次にしっかり書きたいとおもいます)

 

せっかく白馬に行くのであれば、その地域に住んでいる人に会いたい、できればスポーツもしたい(後者が強め。笑)という気持ちで、同じTNFアスリートの方にお声かけさせていただきました。

 

まずTNFアスリートの新しいメンバー江本悠滋さん。登るのも下るのも、渡るのもスペシャリストの江本さん。ノースに新しく入ったことを聞いてとにかく会って話がしてみたかったお方。そう、ほぼ初対面で連絡しました。笑

 

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フランス国家山岳ガイドを取得されていることもあり、一対一のトークも緊張することなく、沢山話しかけてくれました。さすが本場フランス!人見知りにはありがたいトーク術です。江本さんにガイドしてもらって思ったのはとにかく行動が早い。私の思考が1つ進もうとしている間に10終わっている感じ。山では必須のこの思考はどうやって身につけられるのだろうか。

 

もう一人は布施智基さん。スノーボーダーである布施さんは多趣味!趣味と言っていいのか?ちょっとわかんらないくらい趣味のレベルが半端ない!カヌーも釣りも、昔は大工さんをしていたとか。今回はマウンテンバイクを一緒にさせてもらったのですが、素人の私を常に笑顔でリードしてくださいました。

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スノーボードは未体験。わたしには理解できない両足がくっついた状態で滑ってしまうのです。でも布施さんお話を聞いていると、チャレンジしてみたくなりました。自分の好きなことを人に連鎖させるマジックは本当に好きだからこそのパワーであり、わたしもそんな風に走ることを伝えていきたいな。なんて思いながら、江本さんと同じくほぼ初対面の布施さんにお声かけさせていただきました!本当に優しいお方に恵まれて(ノースアスリートでよかった。涙)幸せものです。。。

 

そんなお二人に走ることを強要しました。笑

とは言っても、江本さんは先日のバーチャルUTMFの完走者!走力ばっちり!反対に布施さんはこんなに走ったのは10年以上ぶりだ。。。という中、嫌な顔せず(ちょっとしたかな笑)同じ時間同じ場所を走れたことはこの白馬滞在中の1番の思い出となりました。

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冷たい空気の中、風を切って走れるこの季節がとても好きです
(左:江本さん、右:布施さん)

 

お二人が案内してくれたのは「青鬼(あおに)」という白馬の昔ながらの集落。開けた町並から赤い橋を渡り、くねくねと少し長い坂道を登っていくと、いきなり視界が開け、これまでと違った風景に思わず歩いてしまいました。

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赤の橋を渡るといっきに標高が上がり冷たい空気が流がれました

 

この地区は、江戸時代末期から近代にかけて建てられた家屋が14棟あり、集落全体が重要伝統的建造物群保存地区に指定されているそうです。

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青鬼集落は標高750メートル付近に広がる、茅葺屋根(鉄板被覆)の大型家屋が特徴です

この集落の上に約50枚の棚田が広がるそうなのですが、今回は時期的にそれは見えず次回の楽しみに。

 

この家屋の屋根がとても特徴的でした。

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「兜造り」と呼ばれる屋根

正面を切り落としたような形することで、2階への光の入り方や風通しの良さが変わるようです。また、屋根の最上部の尖った形状は、糸魚川から日本に上陸し、白馬までやってきた渡来人の船をモチーフにしているよう。

 

 

屋根には「水」と書かれている建物もありました。これは、1990年台初頭に火災で大きな被害が出たことから、建物を守ためのおまじないとして書かれたそうです。(写真とっておけばよかった!)

 

この集落の入り口には、また違った空気が漂う神社へと向かう長い階段がありました。昇った先にあったのは「青鬼神社」。名前からして背筋がピンッとなりますが、やはり調べてみるとこの青鬼集落には次のような伝説が語られていました。

 

遥か昔、鬼無里村に鬼のような大男が現れ、村人を苦しめていました。そこで人々は、岩戸山の中腹(青鬼集落の近く)に位置する底なし穴に大男を閉じ込めたのです。しばらくして、その大男が戸隠村に現れるようになりましたが、今度は人々を苦しめるどころか、助けるようになったといいます。

村人たちは、大男が穴を抜ける際に魂が入れ替わったのだろうと考え、以降はその大男を「お善鬼様」として祀るようになりました。

現在も、青鬼集落には善鬼大明神を祭神とする「青鬼神社」が鎮座しており、昔から続く祭事「火揉みの神事」が執り行われています。

 

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村の発展に尽力した鬼を村人は「お善鬼様」と呼ぶように

なぜ悪さをしていた鬼が、突如として村人に拝まれるほどの存在になったかは不明のままのようですが、ここに来ることで善人に生まれ変われるような気持ちになりました。怖い鬼から村を守るために祀ったわけではなく、この村の尽力者として祀られていることに、この村の人々の人格に感化されました。

 

観光地としても有名なこの地域のお手洗いもまた珍しい。お手洗い、と書かれているその場所は周り家屋と同じ佇まいの建物です。中に入ると、昔ここで暮らしていたそのままを残してくれていました。

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雪の多いこの地域だからこその昔ながらの道具が丁寧に飾られていました

まるでおばあちゃん家に来たかのような、そんな空気感を感じながらお手洗いを借りると、とっても綺麗な水洗トイレ。外から来る人のための心遣いがとても感じられました。

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玄関が広く、床に座って靴紐を結ぶこの感じがとてもつもなく心地よかった

 

走る前は10kmか15kmか、と話していたのですが、終わってみれば20km弱。あっという間の20kmに楽しませてくれました。ガイドをしているお二人だからこそなのかもしれませんが、この地の雰囲気を、私の得意なランニングで教えてくれたことに本当に感謝です。

 

ぜひ、この地域に伝わる青鬼の空気を白馬に来たら訪れてみてください。冬には感じられない、この地の魅力を味わうことができます。

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神秘的な雰囲気を全身で体感させてもらいました

 

 

 

 

 

女性アスリートとして、大学院で学んだ山の運動生理学について、環境問題についても、トレイルランニングを通して得た情報を発信していますので、よかったら下の画像をクリックして応援してください♩

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