今日の話は、マイペースについて。
今度の100mileこそちゃんと走り切りたい @miyazaki_kimino
山ではこのマイペースってのがとても大切で、高所登山ではより強調されるペース配分。でもなかなか、これが難しい。わたしは過去二回の100マイルレースはどちらもペース配分がめちゃくちゃ。
ということで、もう一回この大切さについて、自分への戒め込めて書きたいと思います。
マイペースってなに?
名前の通り自分の速度、という意味になりますが。笑
ここでは、下の定義で行きたいと思います。
長い時間、最初から最後まで一定のペースを保ち続けられるバテない速度
では逆にどういった状態が『バテる』かと言うと速度の問題。早く登ればバテるし、ゆっくり登れば最後まで速度を落とさずに登り切れる。
早く登ると身体に様々なストレスを受ける
下の図は、傾斜14%のトレッドミルで、10㎏のザックを背負って歩いた時のカラダの変化。右に行けば行くほど速度がを徐々に上げたときのカラダの反応を心拍数と乳酸(血中乳酸値)で示しています。
心拍数は直線的に上がっているのが分かると思いますが、乳酸はLTと呼ばれるポイント(*1)を区切りに一気に数値が上がる曲線的な反応を示すのが分かると思います。乳酸が増加、蓄積していくと身体は様々なストレスを受けます。
*1:乳酸閾値の目安としては、血中の乳酸値が2ミリモルを越えるところがよく用いられるため、このデータでもその基準を元に線が引かれている。
例えば、筋が疲れてペースが崩れてきたり、呼吸量が一気に増えて息切れが起きたり、免疫能力が低下したり、注意力・集中力・認知能力が低下することも。
バテの怖さは、長くは運動できず自分の足で下山することすら難しい危険な状況になりかねません。道迷いや滑落転倒などのリスクへもつながります。無事に下山するためにも、マイペースで登ることが大事だよ~というのが山で言われていることであり、このLTを越えない領域のことを言います。
マイペースを生理学的な数値や感覚で管理をする
実際にどのくらいのペースがマイペースっていうの?と考えると思います。これは個人差がすごく大きいモノなので、自分のカラダの反応から自分で見つけていくしかありません。下の二つの指標を基準にすることを勧められています。
心拍数でいうと最高心拍の [75%] 以下
主観的運動強度でいうと [ややきつい] 以下
これらを越えないように登ることが勧められています。
実践してみると難しい
でも実際にそれを守ろうとしても難しい。。。ってのが私が最初にトレランを始めた頃の話。2015年は3月に開催されていたITJ、スタートは勢いよく1位発進の後バテて2位へ。その頃のペース配分を振り返るととっても下手なことがわかります。笑
当時の結果👇
心拍数から見るとこんな感じ👇
点線で結んでいるのが75%HRmaxのラインですが、見事に前半にガンガン突っ込み、右肩下がりで落ちているのがわかると思います。結果的に、55㎞手前で抜かされて二位に落ちました。まさに行けるとこまで行っちゃえ!という若さゆえの失敗。笑
感覚的には楽だ、と感じていてもカラダの反応は無理をしているので、そのいうことをちゃんと聞いてあげないといけない。それなのに、それを無視してると、最後まで走り切れない。最後まで走り抜くにはマイペースを保ち最後まで走る抜く力が必要なのです。
どうやってマイペースを覚えていくのか
同じことを見事にもう一度、3か月後の6月に行われたSPA TRAILでも同じことをしました。経験がひとつもイカされていない。笑
3度目の正直!と思って走ったのがそのまた3ヶ月後の9月のSTYで優勝。この半年で山に行く回数を増やし、心拍数を見て登る練習をたくさんしました。そう、実戦でどんどん覚えていくしかないのです。
STY 80.5k 10時間12分24秒 優勝! @miyazaki_kimino
どうやったら実践でよりマイペースを習得できるのか。
より詳しく知りたい方はぜひ週末のフォーラムで👇
ちょっと長くなったので今日はこの辺で。
***まとめ***
・最後まで走り切るにはマイペースが大事
・マイペースを越えると 身体には様々なストレスがかかる
・マイペースというのはLT以下の強度のこと
・実践して身に付けていくべし
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